こんにちは、DTM研究家のイボGです。
今日はWavesのVSTプラグインからコンプレッサーの「C1シリーズ」を紹介します。Wavesはお馴染みの老舗プラグインメーカーで、さまざまな機種のコンプレッサーをリリースしていますが、この「C1シリーズ」はその中で最もベーシックな機種として位置付けられた癖のない、従順な効きが特徴の製品だと思います。
優等生的な感じで個性はあまり無い感じがするわね…
いいところに目をつけたね!個性的な音が欲しい人はビンテージモデルで倍音が豊かな機種などを使う系ことがあるよ。
このプラグインシリーズには、以下のマイナーチェンジバージョンが存在します(微妙に実装されている機能が異なり、詳細は後述します)。
C1 c/g
C1 の全てのモジュールが使用可能
C1 comp/sc
コンプレッサーとサイドチェインの組み合わせ
C1 comp
コンプレッサーのみ使用可能
C1 gate
ゲートのみ使用可能
ちなみに、それぞれ mono 入出力版と stereo 入出力版がありますが、特筆すべき点は、1バンドのイコライザーが付属していることによって、ディエッシング、エンハンスといった処理も1つのプラグインで完結することができる点です。
「C1」の概要・基本的な使い方
シンプルなインターフェースでAudioTrackの左から順に操作していくだけで、狙った音作りをすることが可能になります。
EQセクション
イコライザーセクションはQ10エンジンをそのまま移植されており、基本的な使い方はQ10と同じとなります。
コンプレッサー/エクスパンダーセクション
コンプレッサーとして使用(音のピークを圧縮)する場合は、Ratioを1.01以上に設定し、逆にエクスパンダーとして使用(音のピークを引き伸ばす)場合は、Ratioを0.99以下に設定します。かなり効きが強い製品ですので、コンプレッサーとして使用する場合は、Ratioを「2:1〜4:1」の範囲で調整するのがおすすめです。
また、「Attack」と「Release」はサウンドの特徴を決定づける重要なパラメーターなので、Attackは最速から徐々に遅く、Releaseは最遅から徐々に早めていき、好みのサウンドが得られたところで停止するようにして調整していきます。
※通常は「Threshold」と「Ratio」を設定した後に、「Attack」と「Release」パラメーターを設定していきます。
ゲートセクション
ギター録音時に発生した「ジー」というバックグラウンドノイズなど、ある音量以下のオーディオ信号をカットしたい場合にげーとを使用します。多くの場合、コンプレッサー/エクスパンダーと併用して使用することで、効果的となります。
「Attack」はゲートオープン、「Rel」はゲートクローズまでのラグ時間をそれぞれ調整することができるため、実際に音を確認しながら、設定します。なお、「Floor」の値を「-∞」とした場合、信号レベルが「Thrshold」以下の時に完全にミュートされる状態となります。
AutioTrackの各パラメーターについて
では早速各パラメーターの動きを紹介いたします。
パラメーター | 内容 |
---|---|
Bypassボタン | 各セクションをバイパス処理するボタン。コンプレッサーセクションとゲートセクションに付属している。 |
LowRef/Expander | 切り替えスイッチ |
Makeup | アウトプット量の嵩上げゲインの調整 |
Threshold | コンプレッサーの稼働信号レベル(しきい値)の設定 |
Ratio | 圧縮率の設定 |
Attack Time | しきい値に到達してから実際にコンプレッサーが稼働するまでのラグ時間を設定 |
Release Time | しきい値以下になってから実際にコンプレッサーがOFFになるまでのラグ時間を設定 |
PDR | 入力レベルに応じたリリースコントロールプログラム |
EQ Mode | Split/Widebandの切り替え |
パラメーター | 内容 |
---|---|
Filter Type | HiPass/LowPass/BandPass/BandPassReject |
Filter Freq | ポイントとなる周波数を設定 |
Filter Q | Q値(選択した周波数に対する幅)を設定 |
LowRef/Expander | 切り替えスイッチ |
パラメーター | 内容 |
---|---|
Bypassボタン | 各セクションをバイパス処理するボタン。コンプレッサーセクションとゲートセクションに付属している。 |
LowRef/Expander | 切り替えスイッチ |
Floor | 減衰レベル |
GateOpen | ゲートオープンレベル |
GateClose | ゲートクローズレベル |
Attack | しきい値に到達してから実際にゲートが稼働するまでのラグ時間を設定 |
Release | しきい値以下になってから実際にゲートがOFFになるまでのラグ時間を設定 |
Hold | ゲートオープン後、ゲートをキープする時間 |
EQ Mode | Split/Widebandの切り替え |
機種による機能の違い
C1 Comp
最もオーソドックスなコンプレッサーです。
1 プリセットから「Classic compressor」を呼び出し、プレイバックしながらコンプレッションが掛かりはじめるスレッショ ルドレベルを調整します。オレンジ色の三角マーカーを上下にドラッグすると、スレッショルドレベルが変化します。一番 左のメーターには、現在コンプレッションされている量が赤く表示されているはずです。 2 次に「Ratio」を上下にドラッグして、圧縮率を設定します。変化させた値は中央のグラフに反映されますので、視覚的に 圧縮率を確認することができます。 3 「Makeup」では、いわゆるコンプレッサーのアウトプットレベルを調節します。アウトプットセクションのフェーダーは、 どちらかというとプロセッサーーの出力調整用とお考え下さい。 4 「Attack」では、コンプレッションの効き始めるスピード、「Release」ではコンプレッションが解除されるスピードを調節 します。最後にアウトプットメーターでピークインジケータが点灯しない様、スライダーで出力を調整します。
C1 Gate
これもオーソドックスなゲートプロセッサーです。
1 プリセットから「Classic gate」を呼び出し、プレイバックしながらゲートが開くポイントを調整します。ブルーの三角マー カーが 2 つありますが、上のマーカーが「Gate Open」、下のマーカーは「Gate Close」を指します。これらのマーカーを 上下にドラッグして、Gate Open と Gate Close のポイントを設定します。 2 「Floor」では、ゲートで切った音をどの程度下げるかを設定します。「- ∞」にすると、完全に音がミュートされます。また、 「Attack」ではゲートが開きはじめるスピード、「Release」ではゲートが閉じるスピードを調節し、「Hold」ではゲートが 開いてから閉じるまでの時間を msec 単位で調節することができます。 3 最後にアウトプットメーターで、ピークインジケータが点灯しない様、スライダーで出力を調整します。
C1 Comp/SideChain
C1 Comp に 1 バンドイコライザを組み合わせたプロセッサーで、ここではディエッサーとしての使い方をご紹介します。 1 ヴォーカルトラックに C1 Comp/Sidechain を選び、「DeEsser」を呼び出します。 2 プレイバックしながらディエッシングがかかり始めるスレッショルドレベルを調整します。オレンジ色の三角マーカーを上 下にドラッグすると、スレッショルドレベルが変化します。一番左のメーターには、現在ディエッシングされている量が赤 く表示されているはずです。 3 次に、耳障りな「ess」音や「shh」音の周波数帯域を、フィルタセクションのグラフに表示されているマーカーをマウスで ドラッグして調整します。左右に動かすと周波数が、上下に動かすと選んだ周波数に対する「Q」が調整できます。Q の値 が小さいと、選んだ周波数に対して幅広い範囲でディエッシングがかかり、Q の値を大きくすると選んだ周波数に極めて近 い範囲のみディエッシングを行います。 4 ポイントが設定できたら、もう一度スレッショルドレベルを調整してディエッシングの量を調節します。「ess」音や「shh」 のレベルが大きい時は、スレッショルドレベルを低めにすると効果的でしょう。
C1 Comp/Gate
これまで登場した全てのユニットを組み合わせた、総合的なプロセッサーです。基本的には、C1 Comp/SideChain にゲートユ ニットがついたとお考え下さい。ここでは、先ほどのディエッサーにゲートを組み合わせたプリセットを試してみましょう。 1 ヴォーカルトラックに C1 Comp/Gate を選び、「Classic De-esser/Gate」を呼び出します。C1 Comp/SideChain の時と 同じように、まずディエッサーの調整を行います。
2 次に、ゲートが開くポイントと閉じるポイントを、C1 Gate の時と同じように設定を行います。全てのプロセッシングは右 側のグラフに視覚的に表示されますので、その動きが効果的に確認できます。
公式動画と販売サイト
YoutubeのDAW LESSONチャンネルに操作方法の解説動画がありますので、掲載しておきます。
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