DTM・音楽用語辞典

DTMや音楽制作ではたくさんの「カタカナ言葉」や「略語」そして時々「業界用語」なども出てくるので、ここではそれらの言葉を辞典的にまとめましたので参考にしてください。

ちびイボG

DTM用語や音楽で使う用語をまとめたよ

随時アップデートをしていきますので、参考にしてください。

アウトボード

ハードウェアのエフェクト。特にラックに収めるスタッキングタイプのタイプを指している。

オーディオインターフェースを介してDAWに取り込む際にプリアンプを通したり、DAWに収録した音を一旦アウトボードに出力し、再度DAWに取り込む(センド・リターン)こともある。

アタック

音の立ち上がりのこと。トランジェントともよばれ、音のパンチ感に影響する。

アナログ卓

複数の楽器演奏を入力してバランスを調整するミキサー。特にアナログ回路で構成されているものを指し、スタジオで使うような大きなもの。

アルペジオ

コードの構成音を分解して鳴らすこと。
アルペジエイターはアルペジオを自動で鳴らす機能のこと。

アーティキュレーション

楽器の演奏の際、音同士のつながり間で表情をつけること。滑らかにつなげたり、短く切ったりするなど様々な表現方法がある。

アンサンブル

弦楽など複数の楽器で演奏することや調和の状態のこと。

アンビエンス

部屋やホールなどで発生する残響音のこと。環境音を指すこともある。

アンプ・シミュレータ

主にギターアンプやベースアンプを再現する機器・ソフトのことを指す。

インサート

主にトラックに直列接続となるプラグインエフェクトや音源を挿入すること。
トラック自体を挿入(作成)する際にもこの単語が使われる。

インストゥルメント

楽器のこと。DAWにおいては、ソフト音源・シンセを使用するトラックのことを指す。
その他、オーディオトラック、MIDIトラックがある。

打ち込み

MIDIデータをプログラムし、パソコン上で演奏データを作成する行為のこと。

エンハンサー、エキサイター

主に倍音を付加するといった手段により、音を目立たせる効果のあるエフェクト。

エクスプレッション

MIDIデータコントロールの一種。バイオリンなどの継続して音を発生させる楽器に抑揚をつけるために、音量を制御するコントローラ。

エンジニアリング、エンジニア

音楽ではレコーディングやミキシング、マスタリングを行うことをエンジニアリングと呼び、それを行う人のことをエンジニアリングと言う。

エンベロープ

シンセサイザーなど、音の時間的な変化をつけるときに頻出する用語。
ADSR(アタック、ディレイ、サステイン、リリース)といった要素により実現されていることが多い。

オーディオ・インターフェース

パソコン(DAW)との間で音の情報に関する入出力を行う機器の事。
アナログ信号(電圧)とデジタル信号を相互に変換する機能を持つ。
アナログ信号→デジタル信号に変換する回路(ADC)
デジタル信号→アナログ信号に変換する回路(DAC)

オートメーション

DAW上でパラメータの時間的変化の記録と再生を行う機能。
サビで音量を上げたり、フィルターの周波数を変化させるといった連続的な変化を一般的なDAWではマウスで手書きしたり、直線や曲線で入力することができる。

オーバードライブ

音を歪ませるためのエフェクタでギターサウンドにしばしば用いられる。

オケ

「オーケストラの」の略で、伴奏や演奏データのことを指す。

オシレーター

発振器のことで、シンセサイザーなどに用意されており、基本音色をここで作成する。
「OSC」と略されていることが多い。

歌詞先

楽曲制作において、曲よりも先に歌詞を作ること。歌詞先で有名なのは槇原敬之。

カットオフ・フリケンシー

カットオフ周波数のこと。ハイパスフィルターやローパスフィルターなど特定の周波数以上、以下を除去する場合、どの周波数帯から除去するかを決定するパラメーター。
電気回路では、利得(ゲイン)が3dB低下する周波数のことであり、この周波数より前から減衰が始まるので注意。

キースイッチ

DAWの音源などで、奏法を切り替えるためのきっかけ(トリガー)となる特定の動作。
通常は楽器の音域外の特定のノート(例:C0~C1)に割り当てられており、左手で奏法を切り替えながら右手で演奏することができるようになっている。

キャビネット

ギターアンプやベースアンプを通した信号が実際に音となって発せられるスピーカーのこと。
アンプシミュレーターによっては、キャビネットの種類やマイクの種類、マイクの距離を変更することができる。

曲先

楽曲制作において、歌詞よりも先に曲を作ること。売れ筋を作らなくてはならない音楽業界ではこちらの作り方の方が定番。

クォンタイズ

MIDIデータなどにおいて、演奏タイミングなどの微小な時間ずれを修正すること。

シーケンサソフトなどで、4分音符、8分音符、16分音符などの指定した分解能(細かさ)で時間を修正することができる。

矩形波(くけいは)

シンセサイザーのオシレーターなどに用意されている四角ばった波形(Square Wave)。
その他代表的なものとしては、サイン波(Sine Wave)、鋸歯波(Saw Wave)などがあり、これらを組み合わせて複雑な形状を作ることで派手な音色を得たりすることができる。

クランチ(crunch)

少しだけ音を歪ませて得られたギターサウンド。クランチチョコのようにカリッとしたアタッキーな音が特徴。

グリッサンド

指板の上を滑らせることで2つの音を滑らかに繋ぐ奏法。

クリーン(clean)

歪ませない素の音の状態または弱い歪みのこと。音色に書かれていることもある。

グリッチ(Glitch)

英語では故障を表し、奇抜な音のライブラリなどで使われることもあるが、基本的にはプチプチノイズを指す。

グリッド

DAW上で目安となる基準線のこと。8分音符・16分音符などの単位で設定することができる。
「グリッドに合わせる」とは、基準線ちょうどに合わせること。

クリップ

2つの意味がある。
①DAWでMIDIデータやオーディオデータを扱うときの単位。「リージョン」と呼ぶソフトもある。
②音が限界音量を超えることによって割れてしまうことを指す。この時のノイズをクリップノイズという。

クロス・フィードバック

ステレオの左の音を右に、右の音を左に流してディレイやリバーブをかけること。またはその機能。

ゲート

エフェクトの一種。入力した音が設定した音量より低い時に音を出さなくしたり、減衰させる。ノイズを抑える目的で使われるため、ノイズ・ゲートとも呼ばれる。

ゴースト・ノート

メインフレーズの合間でごくわずかな音量で鳴らされる音のことでグルーブ感をつける役割がある。ギター、ドラム、ベースなどでベロシティとデュレーションを小さくしてこの音を再現することでより生演奏に近い雰囲気が再現できる。

コーラス

歌につけるハーモニー、またはエフェクトの一種。
エフェクトのコーラスは独特のうねりや広がり感を出す効果がある。

コンソール

複数の音を入力して、個別に音量や定位を調整し、2チャンネルにステレオアウトする機器でミキサーとも呼ばれる。

コンデンサーマイク

高感度でクリアな音が得られるマイクで、稼働させるためには48Vのファンタム電源が必要となる。その分振動な湿気に弱く管理には注意が必要。
一方、通常用いられるマイクはダイナミックマイクと呼ばれる。

コントローラ

DAW上のパラメータを操作するための機器やMIDI情報を制御するための機器など。

コンパクトエフェクタ

ギターやベースで、足で踏むスイッチを備えた小さな箱のエフェクタ。
「ペダルエフェクタ」とも呼ばれる。

コンプレッサー

エフェクトの一種で、入力した音が設定した音量を超えると音量を抑えることができる。
音量のばらつきを抑えて均一化させたり、ピークを抑えて全体の音量をあげることで全体を底上げして音圧をあげることができる。コンプとも呼ばれる。また、コンプレッサーを稼働させることをコンプレッションという。

サイド・チェイン

DAWなどにおいて他のチャンネルと連携する機能。
例えば、サイド・チェイン機能のついたコンプレッサでは、ドラムのキックをトリガーとしてベースの帯域を押さえることで帯域かぶりを抑えることができる。
また、独特のうねり感を生み出すこともできる

サイン波(Sine wave)

シンセサイザーのオシレーターに用意されている波形のひとつで丸みのある形と音が特徴。
その他代表的なものとしては、矩形波(Square Wave)、鋸歯波(Saw Wave)などがあり、これらを組み合わせて複雑な形状を作ることで派手な音色を得たりすることができる。

サステイン

音の一連の発生過程のうち、持続音の部分のこと。

サビ

楽曲のセクションのうち、曲が最も盛り上がる部分のこと。

サブオシレーター

シンセサイザーなどでメインオシレーターと組み合わせることで音により厚みを加えたり、低音を補強する目的で用いられる。
サブジェネレーターとも呼ばれる。

サブベース

音色に対してより低い音を付加し、厚みを加える目的で用いられる。

サンプラー

あらかじめ録音されたサンプリング音源を読込み、演奏中に再生するための機器・音源。
ハードディスクやメモリの大容量化によって、急激に高音質化とライブラリの充実が図られた。

サンプリング音源

サンプラーに取り込み、音を再生するための専用ライブラリ。
現在では、様々なジャンルや楽器のライブラリが販売されており、即楽曲化できるようなものもある。

サンプリングリバーブ

主にインパルス・レスポンス(IR:Impulse Response)方式のリバーブのこと。
瞬間的な音を発生させて、その反響音を録音することにより、実際のコンサートホールや建物の反響音を再現することができる。

曲の長さなどを指す。

シャッフル

跳ねたリズムのことでスイングとも呼ぶ。ジャズなどではシャッフルリズムが基本となっている。

白玉

楽譜上、白抜きの丸で表現されることから、全音符などの長い音符のこと。

シーケンサ

あらかじめ定められた順序や手続きで制御することをシーケンスと言う。シーケンサとは、時間に従って連続した演奏情報を記録・編集ができる機器・ソフトのこと。

子音

言葉の要素で「母音」と対で構成される。
ボーカルの音圧をあげた際、で「s音」「k音」「p音」など特定の音がアタッキーで耳につくことがある。
ディエッサーなど、これらの音域が強くなった時に音量を抑制するための専用のエフェクト・プラグインが用意されている。

指向性

マイクは、音を高感度で拾う範囲などが意図的に設計されており、「指向性」としてその特性が表示されている。
通常ボーカルマイクはライブやスタジオなどでの使用を想定し、他の音を拾うことを防ぐため、高感度帯の範囲を狭くした「単一指向性」や更に狭くした「超単一指向性」などのものが販売されている。(参考:両指向性、無指向性といった製品もある)

シンセサイザー

電子的に音を合成して音色を作成する楽器のこと。「シンセ」とも呼ぶ。
周期的な波形はサイン波の合成により再現することが可能という、数学のフーリエ級数・解析が基になって実現された楽器で、元々は複数のファンクションジェネレータを合成させることから、とんでもなく大がかりな楽器だった。
FM方式、PCM方式など様々な種類がある。

スタッター

エフェクトの一種。音をぶつ切りにしたり、並べ替えることで独特のサウンドを得ることができる。

ステップ入力録音

MIDIをDAWに録音する際、鍵盤を弾いてリアルタイム方式もあるが、コードなど全音符や2分音符などの連続する音の場合は、あらかじめ音符を選んで順番に弾いていくことで入力ができる。鍵盤演奏ができなくても入力ができる。
ピアノロール画面でマウスで一つ一つ入力する作業を和音で一気に入力していくイメージ。
コード慣れするとすごく早く作業ができる。

ステレオ・イメージャー

左右の広がり感を調整するためのエフェクト。
低音は中心寄り、高温はサイドに振って三角形を作ることが理想とされているミックスにおいて、そのコントロールを簡単に実現するためのエフェクタ。

スレッショルド

閾値(しきいち)で、コンプレッサーやゲートなどのエフェクトが動作し始める感度を設定する。

スケール

特定の決まりに従って音が並んだ音階のこと。

スタッカート

音を短く切り1音1音を歯切れ良く弾く奏法。

スピッカート(spiccato)

弓を跳ねさせて演奏するストリングスの演奏方法。

ストローク

ギターの奏法で上下にピッキングすることでコードをかき鳴らす手法。
英語ではストラム(strum)とも呼ばれる。

センド

エフェクトをかける際、トラックに直接挿入場合は直列での接続となり、インサート方式などと呼ばれる。
これに対して、原音を残したまま、同時にセンドでエフェクタに送る場合は並列となり、これをセンド方式と呼ぶ。
DAWにおいて、自由なルーティングが可能になったことにより、リバーブなどでは、複数のトラックからの信号を一斉に受理することが可能になった。

ダイナミクス

画像で言うとコンストラストのようなもので、音の強弱の変化を表す。

タイム・ストレッチ

DAWなどでオーディオ・データの伸縮を行い、ピッチを維持したまま長さを変更したりすること。この機能によって、タイミングのずれなども自由に行えるが、あまり変更を加えると不自然となる。

代理コード

特定の機能を持つスリーコード(トニック、ドミナント、サブドミナント)の代理となるコードで、似たような構成音を持つことから置き換えが可能となるコードのこと。

ダウン・チューニング

ギターやベースのチューニング方法として、通常よりも低い音にチューニングすること。
通常の周波数と少しずらしておくことで、重厚な音になることを利用したもの。

ダブラー

エフェクトの一種。楽器や歌で複数回録音したデータを重ねることで、発生する微妙な音程やタイミングのずれを利用してを厚みを増したり、コーラス感を得ることをダブリングと呼ぶ。シングルトラックに対してこの効果を疑似的に再現できるエフェクトのこと。

チューナー

楽器の調律を行うための機器。

ツーバス

バスドラム(キック)を2つ並べたドラムセット。

定位、パン

ステレオの左右における位置のことで「パン」ともいう。
定位を決めることをパンニングという。

ディエッサー

エフェクトの一種。耳障りなボーカルの歯擦音(「さ行」などの子音)を除去するためのプラグインでボーカル処理には欠かせない。

ディケイ

音の一連の発生過程のうち、音が減衰していく部分のこと。

テープ・シミュレータ

エフェクトの一種。アナログ・テープの質感を再現するためのもので温かみを得る目的のほか、テープディレイがシミュレートされている製品もある。

デチューン

音をずらした状態のこと。

デュレーション

MIDIノートの長さのこと。

転調

楽曲に設定されている調を楽曲の途中で変更すること。サビなどのセクションを転調することで、更に盛り上げたり、ボーカルのキーレンジに合わせるためにも転調が用いられることがある。

トランジェント

音のアタック部分を表している。トランジェント・シェイパーと呼ばれるエフェクトもあり、サウンドのアタック部分やサステイン部分の音量を調整することで、よりアタッキーでパンチ感の音にしたり、サステイン部分を調整してウェットな音にしたり、タイトな音にすることができる。

ドロップチューニング

ギターやベースのチューニング方法として、通常よりも低い音にチューニングすること。
下げる程、重厚な音になり、弦のテンションも下がるため音も柔らかく膨らんだような感じになる。

ドンシャリ

低域と広域が強調されたサウンドのこと。

トップ・ノート

コードボイシングにおいて最も高い音を指す。目立ちやすいので、コードボイシングにおいて重要。

トリル

装飾音を加える奏法のことで、楽器においては半音または全音上の音と交互に早く演奏する。

トレモロ

装飾音を加える奏法のことで、楽器においては半音または全音上の音と交互に早く演奏する。
ストリングス楽器では、指でトレモロさせる「フィンガードトレモロ」と弓を使う「ボウドトレモロ」がある。

ノート

音符のこと。
MIDI上では、音域に0~127のノートナンバーが割り当てられており、これらひとつひとつをノートナンバーと呼ぶ。

倍音

音は複数の周波数から構成されており、高さとして感じ取れる音を基音と呼び、それよりも高い周波数の構成音を倍音と呼ぶ。

パラアウト

例えば、ドラム音源などでキック、スネア、ハイハット、タム、オーバーヘッドマイクなど個別に出力することをパラ(レル)アウトと呼ぶ。当然ながら、まとめるよりも個別に出力した方が、細かい調整がかけやすい。パラ出しとも言う。

パン

定位のこと。ミキサーに左右の定位を決めるためのノブがある。
左右どちらかに振り切ると「-3dB」となるものが主流でDAW上でもこの設定が可能なものが多い。

パンチイン

DAWの再生時において、ある区間からある区間までのみ録音状態にすることができる。
このある区間の最初をパンチイン、最後をパンチアウトと呼び、ギターの部分的な差替録音などに活用する機能。

ピアノロール

MIDIデータを編集する際に表示される画面のことで、横軸が時間を表し、縦はピアノ鍵盤が表示された音の高さを表すマトリクス表になっていることから、この名前で呼ばれている。

ピッチシフター、ピッチ補正

ピッチを変えることができるエフェクト。
時間ごとに細かいピッチ編集が可能なものや、おおざっぱに半音単位、あるいは半音をさらに100(セント)に分解した単位でピッチを修正するものなどがある。

ピッチベンド

ベンドは曲げることを意味しており、ピッチを一時的に上げ下げするためのコントローラとしてMIDIに標準装備されている。

ビット

コンピュータなどの量子化(デジタル信号化)で使われる2進数を基準とした単位。
DAWでは、瞬間的な音の強さをどの程度の細かさで保持するかを決めることができる。
CDでは、16bitの細かさ(65536段階)で音の情報が保持されるが、制作時には24ビット、32ビットなどオーバースペックで作業が進められている。
これに対して、どの程度の時間の細かさで保持するかは「サンプリング周波数」という概念で決定する。

ビット・クラッシュ

音の強さの管理密度を粗くすることで、強制的に波形が四角ばったデータとなり、ざらついた音にすることができる。この効果を実現できるエフェクタはビット・クラッシャーなどと呼ばれる。

ピチカート

バイオリンなどで通常弓を使って演奏するところ、指ではじいて演奏する奏法。

ビブラート

ピッチを揺らすことで、単調の演奏に表現を付けるテクニック。歌や弦楽器の演奏などで用いられる。

平歌(ヒラウタ)

楽曲の中でサビ以外の平坦な部分。

ピンポンディレイ

左右で交互にディレイ音が鳴るもののこと。

ファズ

エフェクトの一種で極端に音を歪ませた状態の音色を得ることができる。

フィルター

特定の周波数をカットする目的のエフェクト。
ハイパスフィルター、ローパスフィルター、バンドパスフィルター、ノッチフィルターなどがある。

ブースター

その名の通り音量をあげるためのエフェクトの一種。ギター・ベースなどで用いられ、EQが付属しているものなどがある。

フェーダー

ミキサーで音量を調整するための操作子。スライダーということもある。

フェードイン・アウト

フェーダーを上げていき、徐々に音量を上げて音楽に入ることをフェードイン、フェーダーを下げていき、徐々に音量を下げて音楽を終えることをフェードアウトと言う。

フォルマント

人の声や楽器の周波数成分に含まれる、その音独自の特徴のこと。
たいていのピッチ補正ソフトには、「フォルマントむのパラメータがついており、ピッチ編集時の違和感を消すために用いられる。また、積極的に声色を変える目的で使われることもある。

物理モデリング音源

楽器の物理的な構造をシミュレートし、計算によって音を生み出す原理の音源。
実際の音を大量に録音する方式の音源よりも、扱うデータ量が少なく、動作が軽いものが多い。

ブライトネス

英訳:brightness=「輝き」
一般的には音の明るさを指しており、MIDI規格でも音色の明るさをコントロールするパラメータ(コントロール・チェンジ)としてこの名が用いられている。
MIDI規格では、#CC74(コントロール・チェンジ)として実装。

プラグイン

DAWなどのアプリケーションに新たな機能を加えるためのソフトなどを指す。

プラグインスロット

シンセラックとも言う。

プリアンプ

pre(前の)-amp(増幅器)という名の通り、
一般的にはノイズを受けやすい小さな信号を送信する場合に、適正な音量にしてノイズの影響を少なくしながら伝送するなどの目的で用いられる。

ブレイクビーツ

元々は1970年代頃に既存楽曲の間奏などのドラム部分をつなぎ合わせて新たに作られた楽曲スタイル。
ドラム音を取り込むサンプラーやリズムマシンの発展と共に、独自のリズムを生み出すことにに力が注がれた。

プレート・リバーブ

リバーブ(残響音)エフェクトの種類。金属板などのプレートを振動させることで特有の残響音を生み出す。
電気的に残響音を得ることが可能となったが、大きな金属板が必要であり、当時は大掛かりな装置であった。

プロジェクト

DAWなどで用いられるファイル単位。
楽曲制作を始めるときの合言葉「新規プロジェクトの作成」。

プロセッサー

信号処理装置全般。

フィルイン

楽曲の中でサビの直前やBメロに移行する前などで入れる特殊なフレーズ。おかずとも呼ばれる。

フォルテ

強く演奏すること。

ブレイク

演奏中にリズムやメロディーの演奏を意図的に一時中断させて作る空白部分のこと。
視聴者に意外性(驚き)を与えたり、瞬間的な勢いを生み出したりすることができる。
「唐突」とはまた異なる「意外ではない意外性」(気持ちの良い裏切り)を狙うことがポイント。

ブレス

歌唱における呼吸(息継ぎ)を指す。

譜割り、符割り

拍子に対して1小節内で与えられた音符の割り振り。
1小節を4分割する4分音符、8分割する8分音符などの各音符が積み重なり各小節を構成している。
これらの譜割を守り、一定のテンポに対して適切に長さをコントロールすることが演奏者に求められる。

ヘッドアンプ

スピーカーと信号を増幅するためのアンプ部分が分かれている製品において、スピーカー(キャビネット)の上に置かれているアンプを指す。

ベロシティ

英訳:velocity=「速さ」
演奏情報を伝送するためのMIDI規格上で使われる用語で、音の強弱を表す数値。
打鍵の速さが値の大小に変換され、大きな値ほど明るく大きな音量、小さな値ほど暗く小さな音量で再生される傾向にある。

変拍子

2拍子、3拍子、4拍子といった単純な拍子を組み合わせた特殊な拍子。
例えば、5拍子(2拍子+3拍子)、7拍子(4拍子+3拍子、2拍子+2拍子+3拍子)などが挙げられる。
または、曲の途中で拍子が変わることを指す場合もある。

ボイシング

和音(コード)を構成する音の積み重ね方を指す。同じ種類の和音でも音と音の間隔や高さを変更することで、演出する雰囲気が変わることから、楽器ごとに役割を分けるなど楽曲制作において重要な考え方となる。
オープンボイシングは、音と音の間隔が広いため、広がり感が感じられ、オーケストラなどで多用される。
クローズドボイシングは、音と音の間隔が近く、密集した音であることからパワー(勢い)を感じられる。

マキシマイザー

エフェクトの一種で、リミッターの原理を活用しつつ、音圧を上げる目的に特化したもの。

マスター、マスターチャンネル

ミキサーですべての音を集約した最終的に出力する音のチャンネル。

マスタリング

シングルリリース、アルバムリリースなど、メディアの出荷状況に応じて音量や音質などの調整を行う作業の総称。

マルチバンド・コンプレッサー

周波数帯域別にかけられるコンプレッサー。低音は抑えつつ、高音はよりきらびやかになるよう強調するといった、サウンド全体の印象に関係するような調整が可能となる。

ミキサー

複数の音を入力して、個別に音量や定位を調整し、2チャンネルにステレオアウトする機器でコンソールとも呼ばれる。

ミックス、ミキシング

録音した個別の楽器からイメージ通りの楽曲に仕上げるために、個別の音量や音質、定位などを調整する作業。料理でいうと、具材を揃え終わった後、実際調理するような工程で楽曲の肝となる。

ミックスダウン

ミックスを行い、最終的にステレオ(2ミックス)などの目的とする状態に出力をすること。トラックダウンとも言う。

モニター

音楽制作を目的としており、味付けがされていないフラットな音楽再生環境を構築するために作られているスピーカーやヘッドフォン。

ユニゾン

同じ高さの音を指し、複数の楽器や声で同音を演奏することなどを表す。
広義には1オクターブ高いまたは低い音も含まれる。

ラジオ・ボイス

低域と高域をカットして、中域だけを残すことでラジオサウンドのような音が得られる。

リバーブ

エフェクトの一種。残響音を加えて立体感のある音を出すことができる。

リボン・マイク

空気振動を電気信号に変えるための装置(マイク)であり、一般的にはアルミなどの極薄の膜で音を感知するが、構造上繊細で耐久性が低いため、取り扱いが難しい。

リミッター

音のピーク音量を抑えるエフェクタ。過剰な音量で出力されることを防いでくれるため、音楽制作には必須の機器。

リリース

音の残響音。鍵盤を離した後に継続する音の時間を調整するパラメータ。

リフ

演奏フレーズ。ギターリフなどと呼ばれる。
リフレインという用語もあるが、こちらはより長いパートを指す。

ルート(根音)

和音(コード:chord)を構成するに当たって軸となる基本の音をルート(根音)という。
例えば、Cメジャーコードの構成音「ド、ミ、ソ」では「ド」がルートとなる。

ループ(loop)

繰り返し再生する機能。DAWでは特定の範囲を選択し、その範囲だけ繰り返し再生・録音機能が備わっている。

レイテンシー

英訳:latency=「待ち時間」
DAWなどでは鍵盤を弾いてから実際の発音までの時間差(ラグ)を指す。

レシオ

英訳:ratio=「比率」
コンプレッサーという音の出力を圧縮するエフェクタでどの程度圧縮するかを意味する。
例えば、レシオが「4:1」の場合、超過した分の音量を4分の1に圧縮することを意味している。

ローパス・フィルター

文字通り”ロー”(低い音域)を”パス”(通す)フィルターのこと。
ダンスミュージック等では、固有の周波数を”レゾナンス”(共鳴)させた状態でフィルタリング周波数を稼働させることで、独特のうねり感を演出させることがよくある。

ロング・トーン

トーン(tone)は音を指すので、ロング・トーンは同じ音階の音、声を長く維持したもの。

ワブル

英訳:wabble=「ぐらぐらする」
音量が周期的に変化して、波打つようなウネウネとしたサウンドで「ウォブル」ともいう。
EDMなどのダンスミュージックで用いられる。

A-Z

MIDI(ミディ)

「Musical Instruments Digital Interface」の略
電子楽器やパソコン間で相互に演奏情報をやり取りできるよう演奏情報をデジタル化するための規格。
一般社団法人「音楽電子事業協会」によるMIDI検定も実施されている。