【VST解説】伝説の名機を再現!Waves「API Collection」の使い方と概要について

はじめまして。DTM音楽研究家のイボGです。

今回のテーマ

今回はWavesのVSTプラグイン「API Collection」を紹介していきます。

このみ

ヴィンテージ機器のAPIシリーズをモデリングしたWavesのプラグイン。

APIは1960年代の名機コンソールで、APIは「アメリカ的なサウンド」、たいしてNeveは「イギリス的なサウンド」と言われることがありますが、これらの名機を再現したプラグインはWavesだけでなく各社からもリリースされています。

API Automated Process Inc.というレコーディング業界向け製品メーカー(アメリカニューヨーク州)

Wavesの場合は本家APIが公認しているため正式名称が使用されており、Wavesでは製品として3種類のプラグインを販売、更に、これらをバンドル製品としてまとめたものが「API Collection」という名称になります。

製品の特徴

  • API550は3バンドEQの550Aと、4バンドの550Bの2タイプを内蔵
  • 単品では定価33,000円、セール時で3,600円前後
  • API560は10バンドグラフィックイコライザー
  • 単品では定価33,000円、セール時で3,600円前後
  • API2500は独特のパンチ感とトーンを得られるダイナミクスプロセスツール
  • 単品では定価39,600円、セール時では4,300円前後
  • バンドル製品では定価79,200円、セール時で9,200円前後
ちびイボG

世界中のエンジニアが夢中になったAPIサウンド
がプラグインで使えるなんて凄いことなんだよね!

目次

概要・基本的な使い方

それではAPI Collectionの基本的な使い方を学んでいきます。

API Collectionの使い方を把握する

では早速各パラメーターの動きを紹介いたします。

<API550特徴>
●API独特のキャラクターの伝説的レシプロ・イコライザーを再現
●Q値が変動し、高ブーストの時は帯域幅を狭く、低ブーストの時は帯域幅を広く
●API550Aは各バンド5つの固定カットオフ周波数を持つ3バンドパラメトリックイコライザー
●API550Bは各バンド7つの固定カットオフ周波数を持つ4バンドパラメトリックイコライザー

<API560特徴>
●1967年に発売されたAPIモデリングし1オクターブ単位に分割された10バンドイコライザー
●Q値が変動し、高ブーストの時は帯域幅を狭く、低ブーストの時は帯域幅を広く
●他のデジタルイコライザーよりも大胆な処理が可能

<API2500特徴>
●API独特のパンチ感とトーンを得られるダイナミクスコントロールツール
●2つの独立したモノ・チャンネルとして動作させることが可能
●フィードバックとフィードフォワード制御
●3つのコンプレッションモード(Soft, Medium, Hard Knee)から選択可能

それぞれのデザイン

API550A
API550B
API560
API2500

各パラメーター

では早速各パラメーターの動きを紹介いたします。

API550

パラメーターを表示します
スクロールできます
パラメータ内容
Low Band Gain範囲:-12dB~+12dB(2・3dB刻み)
初期値:0dB
Low Band Frequencyフィルタータイプ:シェルフ・ベル
初期値:シェルフ
カットオフ周波数:50Hz, 100Hz, 200Hz, 300Hz, 400Hz
初期値:50Hz
Mid Band Gain範囲:-12dB~+12dB(2・3dB刻み)
初期値:0dB
Mid Band Frequency範囲:400Hz, 800Hz, 1.5kHz, 3kHz, 5kHz
初期値:1.5kHz
フィルタータイプ:ベル
High Band Gain範囲:-12dB~+12dB(2・3dB刻み)
初期値:0dB
Hight Band Frequency範囲:5kHz, 7kHz, 10kHz, 12.5kHz, 15kHz
初期値:7kHz
Bandpass Filter範囲:50Hz~15kHz
初期値:Off
フィルタータイプ: シェルフ・ベル
カットオフ周波数:5kHz, 7kHz, 10kHz, 12.5kHz, 15kHz
Low Shelf/Bell Selector範囲:シェルフ、ベル
初期値:シェルフ
High Shelf/Bell Selector範囲:シェルフ、ベル
初期値:シェルフ
POL(Polarity)位相を180度シフト(反転)する
範囲:0度、180度
初期値:0度
ANALOGアナログモデリングのOn/Offを切り替える
範囲:On/Off
初期値:On
OUTPUT出力レベルをコントロールする
範囲:-18dB~+18dB(0.1dBステップ)
初期値:0dB
Trim出力信号の最大ピークレベルと公称ゲインの差を表示する(0.1dBFS単位)
範囲:-∞~0dB
初期値:-∞
メーター出力レベルをdBFS単位で表示する。
メーター間のLEDは出力信号がクリップした際に点灯する。
API550A

API550B

パラメーターを表示します
スクロールできます
パラメータ内容
Low Band Gain範囲:-12dB~+12dB(2・3dB刻み)
初期値:0dB
Low Band Frequency範囲:0Hz, 40Hz, 50Hz ,100Hz, 200Hz, 300Hz, 400Hz
初期値:50Hz
フィルタータイプ:シェルフ・ベル
カットオフ周波数:30Hz, 40Hz, 50Hz, 100Hz, 200Hz, 300Hz, 400Hz
Low Mid Band Gain範囲:-12dB~+12dB(2・3dB刻み)
初期値:0dB
Low Mid Band Frequency範囲:75Hz, 150Hz, 180Hz, 240Hz, 500Hz, 700Hz, 1kHz
初期値:500Hz
フィルタータイプ:ベル
カットオフ周波数:75Hz, 150Hz, 180Hz, 240Hz, 500Hz, 700Hz, 1kHz
High Mid Band Gain 範囲:-12dB~+12dB(2・3dB刻み)
初期値:0dB
High Mid Band Frequency範囲:800Hz, 1.5kHz, 3kHz, 5kHz,8kHz, 10kHz, 12.5kHz
初期値:5kHz
フィルタータイプ:ベル
カットオフ周期数:800Hz, 1/5kHz, 3kHz, 5kHz, 8kHz, 10kHz, 12.5kHz
High Band Gain範囲:-12dB~+12dB(2・3dB刻み)
初期値:0dB
Hight Band Frequency範囲:2.5kHz, 5kHz, 7kHz, 10kHz, 12.5kHz, 15kHz, 20kHz
初期値:10kHz
フィルタータイプ:ベル
カッフオフ周期数:2.5kHz, 5kHz, 7kHz, 10kHz, 12.5kHz, 15kHz, 20kHz
Low Shelf/Bell Selector範囲:シェルフ、ベル
初期値:シェルフ
High Shelf/Bell Selector範囲:シェルフ、ベル
初期値:シエルフ
InEQのOn/Offを切り替えます(アナログモデリングはそのまま稼働)。
範囲:On、Off
初期値:On
POL(Polarity) 位相を180度シフト(反転)する
範囲:0度、180度
初期値:0度
ANALOG アナログモデリングのOn/Offを切り替える
範囲:On/Off
初期値:On
OUTPUT 出力レベルをコントロールする
範囲:-18dB~+18dB(0.1dBステップ)
初期値:0dB
Trim 出力信号の最大ピークレベルと公称ゲインの差を表示する(0.1dBFS単位)
範囲:-∞~0dB
初期値:-∞
メーター 出力レベルをdBFS単位で表示する。
メーター間のLEDは出力信号がクリップした際に点灯する。
API550B

API560

パラメーターを表示します
スクロールできます
パラメータ内容
カットオフ周波数31Hz, 63Hz, 125Hz, 250Hz, 500Hz, 1kHz, 2kHz, 4kHz, 8kHz, 16kHz
ゲイン範囲バンド毎に-12dB~+12dB
入出力アナログモデリングを維持しまま、EQのOn/Offを切り替える
POL(Polarity) 位相を180度シフト(反転)する
範囲:0度、180度
初期値:0度
ANALOG アナログモデリングのOn/Offを切り替える
範囲:On/Off
初期値:On
OUTPUT 出力レベルをコントロールする
範囲:-18dB~+18dB(0.1dBステップ)
初期値:0dB
Trim 出力信号の最大ピークレベルと公称ゲインの差を表示する(0.1dBFS単位)
範囲:-∞~0dB
初期値:-∞
メーター 出力レベルをdBFS単位で表示する。
メーター間のLEDは出力信号がクリップした際に点灯する。
API550B

API2500

パラメーターを表示します
スクロールできます
パラメータ内容
Thresholdコンプレッションを開始するレベル(しきい値)を設定する。
各チャンネルでRMA検出器を有しているため、各チャンネルでスレッショルドは独立して設定されます。 
範囲:+10dBu~-20dBu(-12dBFS~-42dBFS)
初期値:0dBu
Attack各チャンネルのアタックタイムを設定する
範囲:0.03ms, 0.1ms, 0.3ms, 1ms, 10ms, 30ms
初期値:1ms
Ratio各チヤンネルのレシオを設定する。
範囲:1.5:1, 2:1, 3:1, 4:1, 6:1, 10:1, ∞:1
初期値:4:1
Releaseコンプレッサーのリリースタイムを設定する。
Variableに設定すると、リリースタイムはReleaseコントローラの右側あるVariableコントローラが制御する。
範囲:0.05s, 0.1s, 0.2s, 0.5s, 1s, 2s, Variable
Kneeコンプレッションが稼働する境目を滑らかにする
範囲:Hard, Med, Soft
初期値:Hard
(補足)
 Hard=設定したThresholdで直ちに稼働する
 Med=設定したThreshold前後で緩やかに稼働する
 Soft=設定したThreshold前後の広い範囲で緩やかに稼働する
ThrustThrustを設定すると、高域に対し深いコンプレッサー処理を行いながら、RMS検出器のハイパスフィルターをインサートし、低域に対するコンプレッションの反応を制御する処理を行う。
範囲:Loud, Med, Norm
初期値:Norm
(補足)
 Hard=相対的に低域の感度を下げることで、ポンピング現象を防ぐ
 Med=相対的に低域の感度を下げることで、ポンピング現象を防ぐ(相対差はHardより緩やか)
 Norm=通常のコンプレッサーと同様の挙動を行う
Typeコンプレッションタイプを設定し、RMS検出器に送られる信号ソースを決定
範囲:OLD(Feed Back), NEW(Feed Forward)
初期値:NEW(Feed Forward)
(補足)
 サイドチェインはNEW(Feed Forward)モードでのみ使用可能なため、サイドチェイン使用時には自動的にNEWモードに切り替わる。
L/R link左右のチャンネル間のリンクの度合いを設定する。
範囲:IND(独立), 50%, 60%, 70%, 80%, 90%, 100%
初期値:100%
Shapeこれらのフィルターを組み合わせることで、1つのチャンネルのみにコンプレッションをかけ、もう片方のチャンネルではコンプレッションがかからないように設定することも可能です。
範囲:HP, LP, BP, Off
初期値:Off
メーターdBFS表示で信号レベルなどを表示する。表示内容は切り替えスイッチで変更が可能。
範囲:0dB~-24dB(Gain Reductionモード)
範囲:-24dB~0dB(Input, Outputモード)
メーター間のLEDは出力信号がクリップした際に点灯する。
メーター切り替えスイッチメーター表示内容(ゲインリダクション、出力信号、入力信号)を切り替える。
範囲:GR, Out, In
初期値:GR
ANALOG アナログモデリングのOn/Offを切り替える
範囲:On/Off
初期値:On
OUTPUT 出力レベルをコントロールする
範囲:-24dB~+24dB(0.1dBステップ)
初期値:0dB
Make-Upメイクアップゲインの自動か手動かを切り替える。
範囲:Auto, Manual
初期値:Auto
Inコンプレッサー全体のマスターバイパスとして動作する。
Outに設定すると、全てのコンプレッサー機能がバイパスされる。
範囲:In/Out
初期値:In
API550B

公式動画と販売サイト

API Collectionについては、Youtubeでも日本語での解説動画が少なく、以下の動画は少しマニアックな内容となりますが、コンプレッションの挙動を波形レベルでモニタリングする内容となります。深く知りたい方は参考にしてみてください。

API2500

バンドル製品でもセール時には9,200円前後での購入も可能となります。

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