【VST解説】最新!AI搭載イコライザー「smart:EQ3」の特徴と機能レビュー

DTM研究家のイボGです。

先日、2021年5月5日にスマートイコライザーのVSTプラグイン「smart:EQ3」がリリースされました。

smart:EQシリーズは、「sonible」というメーカーが開発しているVSTプラグインですが、大きな特徴としては、AIを活用しており、オーディオトラックを数秒学習させることによって最適なパラメーターの設定をしてくれるという点で、楽曲制作のスピードを大幅に高めることもできる素晴らしい設計です。
他にもコンプレッサーやリバーブといったプラグインも同様にリリースされていますので、興味のある方はぜひ調べてみてください。

現在は、リリース記念特典として通情14,000円のところ9,700円前後(約30%OFF)、さらに前バージョン(smart:EQ2)を持っている人であれば、わずか3,200円程度(約75%OFF)で購入することができます。

参考にセール情報でお馴染みの「Computer Music Japan」さんのページリンクを貼っておきます。

ちびイボG

僕もsmart:EQ2から愛用していたので買いました!

目次

どんな点がパワーアップしたか

サウンドに応じた細かいEQカーブが特徴のイコライザー

AIによる自動最適化ができるプラグインとしては、「iZotope Neutron」シリーズも有名で、各トラックのバランスを整えてくれる素晴らしい機能が付いていて愛用者も多いと思います。(しかし、私の主DTM環境はwindows7マシンでDAW「Cakewalk SONAR X1」ということもあり、学習機能がいつまで経っても終了しないというエラーで詰みました…)。

公式サイトでの推奨マシンは、Windows8以降(core i5以降)と紹介されていますが、今回のsmart:EQ3は私の環境でも、無事に使用することができましたので、参考にしてください。

さて、元々のsmart:EQ2の機能では、単一のオーディオトラックのスペクトルバランスを分析し、邪魔な共振や不要なノッチなど全体的なスペクトルバランスを整えるところが特徴でした。今回の「smart:EQ3」では、どんな点がパワーアップしたかを具体的に解説したいと思います。

パワーアップしたポイント

  • グループ(最大6トラック)内で衝突した周波数領域を調整してくれる
  • グループ内でトラックの優先順位を付けられる
  • ダイナミクス機能(パラメーターの動的可変)が追加

グループ機能

前バージョンの「smart:EQ2」では、プリセットから音源の種類を選択し、単一トラックの音源を一定時間学習させることによって、音源の種類に最適化されたパラメーター調整(かなり細かいEQカーブ)が瞬時にできることが製品のポイントとなっておりました。

もちろん単一のトラックとしては、魅力的な楽器の音に仕上がり、積極的な音作りに活用することはできるものの、全体のミックスバランスは考慮されていないので、更に後段に「Fabfilter Pro-Q3」など、他のトラックとの干渉帯域が視認できるイコライザーなどを挿入して、更にミックスバランスを調整するようなことをしており、あまり効率的な作業ではなかったかと思います。

しかし、今回の「smart:EQ3」では、1グループにつき最大6トラックという上限はあるものの、トラック感の帯域バランスを自動調整し、透明なサウンドをキープしてくれる機能が素晴らしく便利だと感じました。

1グループにつき6トラック登録が可能バランス良く調整してくれる

優先順位をつける

個人的に素晴らしいと思ったのが、グループ機能が単なるトラック間の帯域調整だげなく、「優先順位」を任意に設定できる点でした。グループ内で階層が3段階に分かれており、例えば、以下の画像のように、ボーカルなどの一番目立たせたいトラックをL1のトップレイヤーに配置し、目立たないレイヤー(上モノ楽器など)を控えめのL3の控えめレイヤーに設定る

6トラックの優先順位を3段階で分けることが可能

ダイナミクス機能がついた

音を学習させたパラメーターは、細かくEQカーブが設定されているものの、基本的にそのまま固定されているので、学習させていないパートで、所々合わないポイントが出てしまうことがありました。しかし、今回の「smart:EQ3」では、ダイナミクスパラメーターを「0〜100」の段階で設定することができるようになったため、調整パラメーター(EQカーブ)が、音に応じて細かくウネウネと動き、継続して最適化されるようになっています。

この機能は地味ですが、ミックス作業を行う上でとてもありがたいと思いました。例えば、Aメロ・Bメロ、サビ、間奏とパートごとに楽器のサウンドや音域が変わる場合、トラックを分割してそれぞれにマッチするEQのパラメータを組み直すといったことが必要でした。

しかし、「smart:EQ3」だと突っ走って、すべてをこれ一本でカバーするといったこと可能になると思いました。

ダイナミクスを設定するとEQカーブが入力サウンドに応じてウネウネ動いて最適化される

設定画面

右上の歯車アイコンをクリックすると以下の画面のように、設定画面を開くことができます。フィルタータイプの種類やMSモードの切替えなどができるので、場面に応じて幅広い使い分けができるようになりました。

設定画面でMSモードやリニアフェーズモードの切替えが可能

使ってみた感想

まずは、ミックスなどの作業時間が本当に短くなると感じました!実際に過去に作った楽曲を「smart:EQ3」で置き換えてみたところ、不要な周波数帯域の被りで悩んでいたのが嘘のように、グループ機能と優先順位の設定で簡単に解消されたのは驚きです。

イコライザーやコンプレッサーなど、ほとんどのトラックに使用するプラグインは大体使いやすいものが固まってきますが、「smart:EQ3」は方向性が分からなくなった時にとりあえず使って置くことはもちろん、本番もそのまま採用になると思います。

AI搭載のスマート系プラグインがかなり出揃ってきましたが、今後ますます更に活性化していくと思われるので、アンテナを張っておいて欲しいプラグインを安いときにGetしましょう。

動画と販売サイトについて

sonible公式チャンネルからプラグインの実際の使用感が分かる動画がYoutubeに掲載されていたので、載せておきます。

通常価格は14,000円なので、是非セールの時の購入をオススメします。

購入はこちらのサイトから(Plugin Boutique)

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