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The Smashing Pumpkins

ざ・すまっしんぐ・ぱんぷきんず

📝 概要

アメリカ・シカゴ出身のオルタナティブロックバンド。ビリー・コーガンの独特のナズル声とヘヴィなギターサウンド、そしてドリーミーなシューゲイザー要素を融合させた壮大なサウンドスケープで90年代オルタナティブロックシーンの中心的存在となった。

お気に入りの曲

No.1

1979

1995年二枚組大作『Mellon Collie and the Infinite Sadness』収録で、ドラムマシン主体の珍しいアレンジが特徴の名曲。ライブドラムではなくプログラムドラム(Roland TR系のシーケンスに近い4つ打ち)を基本にしており、バンドらしい生感が排除されたことで浮遊するグルーヴが生まれている。ギターはコーラスエフェクト(50〜60msのショートディレイを左右に分けたステレオコーラス)を深くかけたクリーントーンで、中高域(2〜4kHz)に集中させることでドラムマシンの機械的なビートと浮き上がる対比を作っている。ボーカルは最小限のコンプ設定で会話的な近さを保っており、リバーブはホール系(decay 1.5〜2秒)を薄くかけた程度で親密さを損なわない処理。DTMでのオルタナロック・ドリームポップ制作においてドラムマシンとギターバンドの質感ミックスとコーラスエフェクト活用設計の参考になる。

No.2

Tonight, Tonight

同アルバム収録で、シカゴ交響楽団のフルオーケストラを起用した壮大なロック楽曲。制作ではバンドの演奏録音と交響楽団の録音を分けてセッションし、後にミックスで統合する手法を採っており、弦楽器のルームリバーブ(コンサートホール収録音)とギターのスタジオドライ音が同居する独特のテクスチャが生まれた。ストリングスはLowsを100Hz付近でロールオフし弦楽器同士のマスキングを防ぎつつ、バンド音との帯域衝突を避けるため中低域(200〜400Hz)を1〜2dBカットするEQ処理が施されている。ビリー・コーガンのボーカルはミッドレンジ(1〜2kHz)をわずかに強調し、広大なオーケストラの中でも前面に浮かびやすい設計。DTMでのシネマティックロック・オーケストラアレンジ制作においてライブオーケストラとバンドのルーム環境の統合ミックス手法の参考になる。

No.3

Bullet with Butterfly Wings

『Mellon Collie』収録のヘヴィオルタナ代表曲で、「世界は吸血鬼に飲み込まれた」という歌詞で知られる。プロデューサーButch Vigは『Siamese Dream』以降に確立した「ギター壁」工法を本作でも踏襲しており、Stratocaster+Marshallで録ったギタートラックを30〜50本以上重ねることで分厚いギターウォールを形成した(各テイクを少しずつ異なるピックアップとアンプ設定で録音)。これによりステレオ再生時に各ギタートラックの微妙なピッチ差と位相差が合わさって「包み込むような厚み」が生まれる、DTM的にはユニゾンデチューンの生録音版に相当するサウンド。キックとスネアは強めのゲートリバーブで整理し、ギター壁の中で埋もれないよう4〜6kHz帯を気持ち強調した処理設計。DTMでのヘヴィオルタナギターウォール制作において多重録音によるユニゾン厚みとスネアのゲートリバーブ処理の参考になる。

No.4

Cherub Rock

1993年アルバム『Siamese Dream』オープニングを飾る楽曲で、Butch Vigプロデュースのオルタナロック美学が凝縮されている。イントロのリフはシングルコイルピックアップの鋭い倍音(4〜7kHz)を活かしたクリーン→軽いクランチで、コーラスが始まると同時にディストーションギター壁に切り替わるオン/オフの落差が特徴。ビリー・コーガンはこのアルバムでドラムのジミー・チェンバリン以外のほぼ全パートを自ら演奏・多重録音したことで知られ、ベースラインも本人演奏で60〜100Hz帯に集中させたシンプルなルートフォローが壁のようなギターサウンドを下から支える設計。ボーカルにはユニゾンダブルトラック(ほぼ同一ピッチで2テイク重ね)が施されており、鼻にかかったコーガン節が少しだけ太く聴こえる効果を生んでいる。DTMでのオルタナロック制作においてイントロ→コーラスでのギタートーン切り替え設計とユニゾンダブルトラックボーカルの処理参考になる。

No.5

Daphne Blue

Bサイド/レアトラックとして知られる楽曲で、スマッシング・パンプキンズの内省的・ドリーミーな側面が際立つ作品。アコースティックギターとエレクトリックギターを重ねた静かな編成で、過剰な歪みを排した設定の中でコーガンの鼻声がより裸に近い状態で聴こえるミックス設計が特徴的。リバーブはルーム系(短めのpre-delay 8ms以下、decay 0.6〜1秒)を薄く使い、親密な部屋の中で演奏しているかのような空間感を演出。アコースティックギターには高域(8kHz以上)をわずかにシェルビングブーストし弦のスパークル感を出すEQ処理が施されており、エレクトリックの中高域と棲み分けることでレイヤー感を保持。DTMでのインディーロック・ドリームポップ制作においてアコースティックとエレクトリックの重ね合わせ帯域設計とルームリバーブによる親密空間演出の参考になる。

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