イボG
今回はWavesのプラグイン「H-Comp」を紹介します。
このみ
Hシリーズはアナログとデジタルの「ハイブリッド」を指すのですよね。
イボG
その通りです、Hシリーズは長年に渡ってWavesの推しメニューでした。今でこそ、アナログモデリング製品は多数ありますが、当時そのような製品は珍しく、パイオニア的存在だったように思います。
目次
H-Compの概要
製品の概要
- 2010年にリリースされた、Waves「Hシリーズ」の1つ
- アナログとディジタルの良さを融合し、ヴィンテージサウンドを付加することも可能
- コンプ音(Wet)と原音(Dry)を混ぜたパラレル信号の調整が可能
- アナログノブで奇数倍音と偶数倍音の成分の付与が可能
イボG
アナログノブをONにすると、ノイズが付加されるため、これが原因でAudiostockの登録審査に落ちるということもリアルにあります。ノイズ除去の処理もお忘れなく。
最近のプラグインには大抵「Mix」が付いていますが、プラグインが今ほど浸透していなかった時代から、この機能が付いていて、とても便利だったため、Waves一強の時代はとりあえずデフォルトで使っておくといった感じでした。
強めに圧縮する設定を作っておいて、配分比率(MIX率)を変えることで全体の音を整えるといったことが可能です。
H-Compのパラメーター
では早速各パラメーターの動きを紹介いたします。
パラメータ | 内容 |
---|---|
メーター | ゲインリダクション(GR)、入力レベル(IN)、出力レベル(OUT)を表示できる |
ANALOG | 倍音成分を足すことでアナログ機器特有の色付けを行います。 キャラクターとしては、3の癖が強く、1や4は控えめな色付けとなっているような印象です。 気になる方はノブごとに倍音構成を検証しているサイトもありますので、検索してみてください。 |
THRESHOLD | スレッショルド(圧縮を行い始める基準レベル)を設定する 他製品とノブの回転方向が逆なので注意(一般的には右に回すほど圧縮量が落ちるが、本製品では逆) |
RATIO | スレッショルドを超えた信号の圧縮比率を調整する |
PUNCH | アタックタイムの設定を無視して、トランジェント(音の立ち上がり)を検出した際に圧縮を無視する挙動を行うが、その量を調整するパラメーター。 |
ATTACK | アタックタイム。短くするほど音が奥に行くように感じる。 |
RELEASE | リリーリタイム。 早くするほど圧縮時間が短くなり、強弱がしっかり残るが、早すぎると不自然になる。 |
OUTPUT | 出力レベルの調整用。エフェクトを通したことで劇的に音量が変わらないように使うことが一般的。 |
MIX | エフェクトのかかり具合の調整 (Dry:Wetのブレンド量調整) |
H-Compの使いどころ
H-Compは、音の密度やダイナミクスを柔軟に調整することができるため、音楽制作において非常に役立つプラグインの一つです。特に、ドラム、ベース、キーボード、ボーカルなど、さまざまな音源に対して効果的に使用することができます。また、ミックス全体に適用することで、サウンドの統一感を高めることができます。
- ボーカルトラックに適用して、音の密度を高めることができます。
- ベーストラックに適用して、音のパンチ感を強めることができます。
- ギターアンプのアウトプットに適用して、音のリアル感を高めることができます。
- ドラムトラックに適用して、音のリズミカルな動きを強調することができます。
- キーボードトラックに適用して、サウンドを広げることができます。
- ミックス全体に適用して、音の密度を一定に保ちながら、音のバランスを整えることができます。
- マスタートラックに適用して、マスタリングプロセスをよりコントロールしやすくすることができます。