今回はWavesのプラグイン「Vitamin」をご紹介します。
「音をパワフルにするプラグイン」みたいなイメージですか?
簡単に言ってしまえば、帯域(5バンド)調整できるサチュレーター、イメージャーですが、もう少し奥の深いようなプラグインですね。
Vitaminの概要・特徴
「Vitamin」というプラグインは、Waves社が開発したマルチバンドエフェクトプラグインの1つです。このプラグインは、特定の楽器に対して全体的なプレゼンス感や明瞭感を与えるために使用されることが多く、広範囲の周波数帯域に対して自由にエフェクトをかけることができます。
例えば、ドラム、ベース、ギター、ボーカルなどの様々な音源に対して、存在感を高めるために使われますが、逆に広がりを抑えるといった形で使用することもできます。
使用できるシチュエーションは次の章で解説しているので参考にしてみてください。
Vitaminの特徴は、エフェクトをかける対象の周波数帯域を最大5つまで選択できることです。また、各帯域をそれぞれ独立してコントロールすることができます。
Wavesのバンドル製品としては、Gold / Platinum / Diamond / Horizon / Mercuryバンドルを持つユーザーに提供されており、比較的導入がしやすい製品です。ぜひ、ここぞという場面で使いこなせるようにしましょう。
「Vitamin」の使いどころ
Vitaminは、全体的なプレゼンス感や明瞭感を与えるために使用されることが多いため、以下のような場面で使われることが多いと思います。ぜひ参考にしてみてください。
- ドラムトラックに対して使用することで、クリアで明瞭なドラムサウンドを実現することができます。また、各ドラムのパーツ(キック、スネア、ハイハットなど)に対して、独立してエフェクトをかけることができ、より自然なドラムサウンドを生み出すことができます。キックに重さを足したり、抜けの良いスネアサウンドを作ることができます。
- ベーストラックに対して使用することで、ベースラインがしっかり見え、パンチ感のある豊かな演奏にすることができます。ベースの低音域を強調した場合は、よりパワフルでグルーヴ感あふれるサウンドを生み出すことができます。
- ボーカルトラックに対して使用することで、抜け感のあるより明瞭なボーカルサウンドを実現することができます。ボーカルサウンドを一段階ブラッシュアップしたり、ノイズ処理やディエッシング処理で損なわれた高域感を再び補強するといった使い方もできるでしょう。
- ギタートラックに対して使用することで、クリアで明瞭なサウンドを実現することができます。特に、ダブリングしたギタートラック(左右にパンを振ったステレオトラック)に対して使用することで、磨きをかけた音になることもありますので、ぜひ活用してみてください。
- キーボードトラックに対して使用することで、より豊かな音響空間を実現することができます。また、キーボードの音色の特徴を引き出すために、各帯域に対してエフェクトをかけることができます。
- もちろん、楽曲全体に対してプラグインをかけることもできるため、ミックスダウンの際に使用することで、よりダイナミックなサウンドを実現することができます。また、低域はモノラルにしてパワーを与え、高域は広がりのあるサウンドにといった周波数ごとの調整ももちろん可能で、楽曲全体に対してプレゼンス感や明瞭感を与えることができます。一方で全体のバランスを調整するためにはシビアなコントロールが要求されるため、個人的には全体のトラック調整よりも、1〜5で紹介したような単体トラックに使用する方法をオススメしています。
以上のように、Vitaminは、様々な音源に対して使用することができ、特にマスタリングや全体的なサウンドデザインに使用されることが多いプラグインです。Waves社のプラグインの中でも非常に高い評価を受けており、多くのプロフェッショナルに愛用されています。
Vitaminのパラメーター解説
では、各パラメーターの動きを紹介します。
基本的には何も考えずに、帯域別のフェーダーを上げて貰えば、その効果がパッと分かると思います。
パラメータ | 内容 |
---|---|
INPUT | 入力レベルの音量を調整 |
XOVER | 5バンドの周波数の境目となる周波数を調整 |
Sボタン | 特定帯域のみのソロ再生 |
Bypボタン | 特定帯域のバイパス(処理前後の比較視聴用) |
フェーダー | 音のエンハンス量を調整する |
WIDTHノブ | 広がり感を調整 |
Output | 出力レベルの調整 |
ちなみに、MASTERと書かれた、エレベーターの上下ボタンのようなところでは、パラメーターの一括調整を行うことができます。
イントロダクション動画(55秒)
チュートリアル動画と販売サイト
Youtubeに公式動画がありますので、掲載しておきます。
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