はじめまして、DTM音楽研究家のイボGです。
自分で作った楽曲を販売する方法はいくつかありますが、中でも国内最大級でメジャーなサイトAudiostockで誰かが二次利用できるように素材として販売する方法があります。
ここでは、Audiostockへ実際に楽曲を登録する手順、ノイズを理由とした落選後の対処方法などを解説していきます。
初めての登録でドキドキ。
結果は一度落選したけど、無事に何とか登録できたよ!
AudioStockとは
どんなサイトかを知っている方は読み飛ばしてくださいね。
Audiostockについて簡単にご紹介しますが、簡単に言うと、製作者(著作者)と利用者を仲介してくれる不動産会社のようなサービスを展開しています。
クリエイターとして登録を行っておけば、審査を経たうえで、簡単に楽曲を登録・販売することができます。また、料金の設定もいくつかの選択肢の中から、自身で設定することが可能で、実績を積みあげていくことによって、仲介手数料が下がっていく仕組みなども用意されています。
最大級のサイトに登録するメリットは曲を探してくれるユーザー(利用者)が多いことですが、同時にライバルとなるクリエーターが多数いるというデメリットもあります。
2020年9月現在では、約593,000点の作品と約15,000人のクリエイターが登録されています。
売れ筋などの傾向を分析して、利用シーンの多い売れそうな楽曲を作ることがポイントとなりますが、地道にコツコツ頑張りましょう。Audiostockのトップクリエイターとして、「こおろぎ」さんという方が有名で、noteなどに売れ筋情報などを公開されているので、ぜひ研究されてみてください。
ちなみに類似サイトも多数散見されますが、楽曲を登録する前に著作権(権利)の条件等の確認をオススメします。特に気を付けなくてはならないのが、素材として登録販売するサイトの中で自身の著作権を放棄(譲渡)する種類のものがあります。
このようなサイトの場合、製作者本人ですら登録後は使用できなくなり、Youtubeや自身のサイトに使用することですら侵害とみなされるケースもあるようです。
なお、AudioStockについては、著作権自身は製作者の動画での宣伝や自身での活用は認められていますので、その点は製作者側は安心です。
作品の権利関係について
- 購入または利用した作品の権利について教えてください。
-
作品の権利は、購入・利用の有無に関わらず、常に制作者ご本人に帰属します。ユーザーは作品の「使用権」を購入する形となります。 著作権・著作隣接権の使用料をお支払いするとお考えください。
「よくある質問(BGM・効果音をお探しの方)」(Audio Stockより引用)
使用した音源と投稿手順について
今回審査する楽曲ですが、自信の投稿している「Soundcloud」に転がっていた楽曲の中から、最も見込みのありそうな以下の楽曲を選定しました。
5年前頃ですが、実際に学校のイベントで使用していただいた実績もあるので、多少ニーズはあるのかなと思います。
今回の審査に臨むに当たっては、再度ミックス・マスタリングを行い、サウンドのブラッシュアップを行いました。
投稿に必要な情報(今回の登録内容)
今回は「歌もの」の登録となるため、次の情報を入力する必要があります。
wav形式 (300MB以下)
16bit または 24bit
44.1kHz または 48kHz
※冒頭の無音部分が0.5秒以内であること
カバー・アレンジの場合は、原曲がパブリック・ドメイン(著作権消滅)である必要がありますので、ご注意ください。
作品識別用の曲名を40文字以内で入力します。
20文字以内で作品の簡単な説明を入力します。
使用用途やイメージをしっかり捉えて書くことで検索されやすくなります。
(例)情緒的なピアノで歌い上げたバラード
今回は次のように入力しました。
開幕イベント向きの爽やかな英語のポップス
1000文字以内で作品の紹介や解説を記入します。
楽曲がどのような構成なのか、どのようなシーンに向いているかなどをイメージできるように書くと良いと思います。今回は300文字程度で次のように入力しました。
爽やかで涼しげな雰囲気を感じる夏の楽曲です。
始まりはしんみりとしつつ、サビでは一気に解放的な雰囲気になるよう展開していますので、
オシャレで大人な感じの高揚感を得られるようにしました。
【構成】
A →B→サビ
【サウンド】
ギター、ピアノなどの生音を中心としつつ、
電子楽器を使った4つ打ちトラックです。
【このようなシーンにおすすめ】
CM(夏向き)、イベント(学校イベント、文化祭、オープニングセレモニー)
実際に学校イベントのオープニングセレモニーで使用いただいたことがあります。
楽曲のフェードアウト部分でイベント名をナレーションで入れるとよりそれらしくなります。
次の中から選択します。
男性/女性/混声/その他
5000文字以内で歌詞を入力します
検索時の絞り込み時に活用され、任意で入力可能となっています。
テンポが変動する場合は、「フリーテンポ」にチェックを入れます。
楽曲の特徴を表すキーワードを最大で50種類まで入力できます。
大まかに次の内容について登録します。
- 用途
- 楽器
- ジャンル
- イメージ
夏 イベント オープニング ピアノ アコースティックギター シンセサイザー ポップス フェス さわやか おしゃれ 爽快 海 空 解放感 文化祭 セレモニー 学校 CM キラキラ 英語 女性ボーカル
ドロップダウンリストから価格を選ぶ形式になっています。
価格のバリエーションは次のとおりです。
- 3,000円
- 4,000円
- 5,000円
- 7,000円
- 10,000円
- 20,000円
- 30,000円
- 40,000円
- 50,000円
審査結果:ノイズ混入による再登録依頼
さて、金曜日に審査登録を行い、翌週の水曜日の22時頃に結果の返信メールがありました。
結果は、残念ながら『一発審査クリア』とはならずでした。
巷ではノイズを理由に審査基準が年々厳しくなっているという声がよく出ていますが、私もノイズを理由として要調整となっています。以下がそのメールになります。
さて、指摘通りにノイズを除去します。えーと、正直なところ聴感上は、ノイズがよく聞き取れません。
でも焦らずに。プラグインを駆使して、分析しながら対応していきましょう。
メーター系プラグインでノイズを分析
まずは、実際に指摘のあった1:06前後にノイズがあるか確認をしてみます。
T-RackS 5 Meteringというメーター系プラグインの挿入して再生してみると、以下の画像のとおり、PEAK値が-44.1dB程の数字を示しており、再生しても音としては認識できないものの、確かに何かしらの信号がある模様。「AudioStockの審査厳しい」と言われる理由が分かった気がします。
わずかに信号(ノイズ)が検出された
実際にノイズを除去
では、早速ノイズを取りにかかりましょう。
といっても方法は簡単でノイズ除去プラグインをセットし、設定をしてあげるだけです。
今回は、Waves「X-Noise」というVSTプラグインを挿入し、特定のしきい値以下の信号を減衰するようにセットしました。以下の波形モニターを見ても分かる通り、赤線の元々の入力信号が、緑線の出力信号となってきちんと減衰されていることが分かります。
Waves「X-Noise」で信号を減衰させる
もっと詳しいノイズ除去の方法を知りたいという方は以下の記事も参考にしてみてください。
ノイズを消す方法の記事
念のためフェードアウトもかける
再度該当部分を再生してみて、メーター系プラグインで確認してみます。
今度は音が検出されなくなった
さっきは-40dBぐらいの音があったけど、綺麗になくなりました。
総括
さて、ノイズを取り除き再度楽器を登録しました。
結果は1週間後に以下のメールがあり、「無事に審査を通りました」。良かったー。
しかし、毎回メールが深夜近くに送られていたですが、日本で審査していないのか、一体どういう審査スキームなのか謎でした…。
登録されている楽曲は約60万点近い楽曲で、その中から自分の作品を見つけていただき、買っていただくというのは、なかなかすごい巡りあいのようにも思えてきます。
「Audiostock」とGoogle の検索ボックスに入力すると、「売れない」という関連キーワードが出てきますので、それぐらい作品が飽和していて激戦状態なのかもしれません。
これから私イボGも少しずつ作品を登録しつつ、情報をアップデートしていきたいと思います。
閲覧、ありがとうございました。