クオンタイズとは?かけすぎると機械っぽくなる理由と、グルーヴを残す使い方

📖クオンタイズ📖DAWで最もよく使う機能のひとつですが、「とりあえず全部かける」で使っていると、📖打ち込みが機械っぽくなる原因にもなります。この記事では、意味と正しい使い分けをまとめます。

ヒバリ

……ズレてるのが気持ち悪いから、いつも全部クオンタイズしてる。でも、そのあと聴くと、なんか死んでる。

その感覚は正しいです。クオンタイズは「ズレを直す機能」であると同時に、「揺れを消す機能」でもあります。直したいズレと、残したい揺れを区別できると、打ち込みが一段変わります。

目次

クオンタイズとは

クオンタイズとは、打ち込んだ音符の位置を、指定した音符の区切り(📖グリッド)に自動で揃える機能です。手で弾いて入力したデータのタイミングを整えたり、打ち込みを効率よく正確にするために使います。

問題は、この機能が「ズレ」と「揺れ」を区別しないことです。ミスタッチの数十ミリ秒も、意図して前に突っ込んだ数ミリ秒も、同じように吸着させてしまいます。

主なパラメータ

パラメータ働き実務での考え方
グリッド(分解能)何分音符の位置に揃えるか実際に演奏している最小単位に合わせる。細かすぎると意図しない位置に吸着する
強さ(量・パーセント)どれだけグリッドに近づけるかここが最重要。100%で完全一致、下げるほど元のズレが残る
スイング(📖シャッフルグリッドを均等でなく偏らせる跳ねた📖リズムを作る。ジャンルによって適量が大きく違う
許容範囲一定以上ズレた音符だけを対象にする大きなミスだけ直し、小さな揺れは触らない、という使い方ができる

多くの人がグリッドだけ見て、強さを100%のまま使っています。まずこの「強さ」を触れるようになるだけで、打ち込みの印象は大きく変わります。

なぜ100%だと機械っぽくなるのか

人間の演奏は、拍の真上には乗っていません。ドラマーは📖スネアをわずかに後ろに置き、ベーシストは前に置く、といった癖があり、その差が「📖グルーヴ」と呼ばれるものの正体です。

クオンタイズを100%かけると、この差が全部ゼロになります。全部の音が数学的に正確な位置に並び、誰も演奏していない状態になります。「正確なのに死んでいる」と感じるのはこのためです。

逆に言えば、機械的であることが狙いのジャンルでは100%が正解です。冷たさや正確さを表現したいなら、揺れは邪魔になります。目指す方向によって正解が反転する、数少ない設定です。

グルーヴを残す使い方

  1. 強さを80〜90%程度から試します。大きなズレは直りつつ、元の揺れが1〜2割残ります。ここが多くの生っぽい打ち込みの落としどころです。
  2. パートごとに変えます。全📖トラックに同じ設定をかける必要はありません。土台は固く、上物は緩く、という配分が有効です。
  3. 許容範囲を使います。「大きく外れた音だけ直す」設定にすれば、明らかなミスだけを潰して、細かい揺れは温存できます。
  4. グルーヴテンプレートを使います。特定の演奏のタイミングの癖を抽出して、他のトラックに適用する機能です。ランダムに散らすのではなく、統一された癖を与えられます。
  5. 最後は手で動かします。どうしても気持ちよくならない箇所は、その1音だけ手でずらすのが確実です。
ヒバリ

……直すのと、揃えるのは違うんだ。あたしがやってたの、直すつもりで全部揃えてた。だから死んでたのか。

パート別・かけ方の目安

パート強さの方向理由
📖キック強め(ほぼ揃える)曲の基準になる。ここが揺れると全部が不安定に聞こえる
スネアやや緩めわずかに後ろに置くと重心が下がる
📖ハイハット緩めここの揺れが生っぽさをいちばん作る
ベース強めキックとの関係が崩れると低音が濁る
コード楽器緩め揃えすぎると打ち込み感が出る
装飾・上物いちばん緩く自由に揺れていても破綻しない

原則は「土台は固く、上に行くほど緩く」です。基準になるものが揺れると全体が崩れますが、装飾が揺れても曲は壊れません。

よくある質問

Q. マウスで打ち込む場合もクオンタイズは要りますか?

マウス入力はグリッドに吸着するので、直す意味でのクオンタイズは不要です。むしろ問題は逆で、最初から完璧に揃いすぎていることになります。この場合は、揃った状態から意図的にずらす作業が必要になります。

Q. オーディオにもクオンタイズできますか?

できます。多くのDAWが、音の立ち上がり(トランジェント)を検出して位置を揃える機能を備えています。ただしタイムストレッチを伴うため、動かす量が大きいと音質が変わります。📖MIDIのように気軽ではない、と考えてください。

Q. ランダマイズ機能で揺れを作ってはいけませんか?

効果は限定的です。人間の揺れはでたらめではなく、癖として一貫しているからです。ランダムに散らすと「生っぽさ」ではなく「下手さ」に近づくことがあります。癖を再現したいなら、グルーヴテンプレートを使うか、手で動かすほうが確実です。

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