Waves Abbey Road Studio 3は、ヘッドホンでミックスするためのモニタリング用プラグインです。この記事では、なぜこのプラグインにスピーカーの開き角や残響量のつまみが無いのか、ヘッドトラッキングをオンにすると「部屋が動かなくなる」とはどういうことか、そしてサラウンド版でモニタースピーカーの種類を選べない理由を、公式ユーザーガイドの記載から整理します。
この製品の性格は、コントロールの少なさにそのまま出ています。同じWavesのNx Virtual Mix Roomが持っているスピーカーの開き角や残響量の調整が、Studio 3には用意されていません。理由は明快で、こちらは実在する特定の一室を再現しているからです。動かせないことが仕様であり、売りでもあります。
以下の範囲・初期値はすべて、Abbey Road Studio 3 ユーザーガイド(全21ページ)に記載された値です。編集部はこの製品を所有していないため、音の印象ではなく、公式資料から確認できる仕様と設計の理屈だけを扱います。
カホつまみが少ないプラグインを「機能が足りない」と読むのは早い。何を可変にしなかったかに、モデリングの範囲が出る。
この記事でわかること
- スピーカーの位置が全フォーマットで固定され、使う本数だけが変わる設計であること
- ヘッドトラッキングのOn/Offが、Nxの音響処理そのものには影響しないこと
- 頭の実測値(頭囲・耳から耳)が何の計算に使われ、適当な値を入れると何が壊れるのか
- サラウンド版が「入力6または8/出力2」で、音が出るのは出力1と3だけであること
Abbey Road Studio 3とは|何を解決する製品か
ヘッドホンモニタリング用のプラグインです。公式ユーザーガイドは冒頭で、世界でもっとも有名なミックスルームのひとつであるAbbey Road Studio 3の音響空間の中でミックスできるようにするもので、ミックスエンジニアの椅子に座っているかのように判断が下せる、と説明しています。判断できる対象として挙げられているのは、ミックスの奥行き・パンニング・ステレオイメージ・バランス・リバーブの5つです。ガイドの脚注はStudio 3をAbbey Roadのフラッグシップ・ミックスルームと位置づけ、そこでミックスされた作品の例として、The Beatlesの『Revolver』、Pink Floydの『The Dark Side of the Moon』、Amy Winehouse、Frank Ocean、Florence + the Machineの名を挙げています。
技術的には、Waves Nxテクノロジーに基づくバイノーラル処理プラグインです。人間の聴覚の音響心理モデリングによって、ステレオヘッドホン上に自然で没入感のある三次元の音場を作る、とされています。加えてStudio 3という部屋のインパルスレスポンス(室内の応答を測ったデータ)がNxと組み合わされている、という説明です。
ここでもっとも重要な一文は、Getting Startedにあります。「ミックスそのものの処理を変えるのではなく、それをモニターする環境を変える」。プラグインの出力は常にバイノーラルのステレオヘッドホン信号で、すべてのミックスチャンネルがそれぞれの仮想位置に配置された状態で入っています。したがって使い方も限定されていて、マスターバスに1インスタンスだけ挿し、個別トラックには使わない。そして最終ミックスを書き出す前には必ずバイパスする——これがガイドに明記された前提です。
コンポーネントは3つ。ステレオ、5.1サラウンド、7.1サラウンドで、違いは入力チャンネル数と、後述するStudio Monitorsの選択肢の有無だけだとされています。
設計思想:なぜこの効き方をするのか
スピーカーの位置は固定。変わるのは本数だけ
ユーザーガイドのAppendix Cは、各コンポーネントがStudio 3のスピーカー配置を再現しているとしたうえで、「スピーカーはすべてのフォーマットで位置が固定されており、変わるのは使われる本数だけ」と明記しています。ステレオ・5.1・7.1で部屋を作り直しているのではなく、同じ部屋の同じ位置にあるスピーカーのうち、何本を鳴らすかが変わるという構造です。
この対比として分かりやすいのが、同じNx系のNx Virtual Mix Roomです。あちらのユーザーガイドを見ると、Speaker Positionというセクションがあり、フロントの開き角(0°〜180°、初期値60°)、リアの開き角、7.1のサイドの開き角、そして部屋全体を回すRotateが並んでいます。さらにRoom Ambienceという項目があり、付加される反射音の量を0(オフ)〜100で調整できます(初期値17)。Studio 3のコントロール一覧には、これらに対応する項目が載っていません。載っているのはRotate Studio——自分の向きを変える操作——だけです。
汎用の部屋シミュレーターなら開き角と残響量が可変であるべきで、実在の一室を再現するなら固定であるべきです。両製品のコントロールの差は、そのまま両製品の目的の差になっています。
スピーカーの校正値もAppendix Cに書かれています。フロントとサラウンドの各スピーカーは、ミキサーの位置で測ってピンクノイズ85 dB SPLに校正されている。LFEは同じくミキサー位置で91 dB SPL、クロスオーバーは120 Hzのローパスフィルターです。ここまで書いてあるのは、部屋そのものが可変ではなく、測られた対象だからでしょう。



ここは取り違えやすい。ヘッドトラッキングをオフにしても、Nxの処理は止まらない。止まるのは追従だけ。
ヘッドトラッキングOn/Offの意味は、直感と逆に見える
ユーザーガイドの説明はこうです。ヘッドトラッキングがオンのとき、仮想の部屋は動かない。動くのは自分——ヘッドホン——の向きのほうです。これは現実の三次元世界で音を聞くときの挙動そのもので、この相互作用が定位の判断に効く、と。逆にヘッドトラッキングがオフのとき、音場は頭と一緒に動く。これが通常のステレオヘッドホンの挙動です。
そして重要なのが、Head Tracking On/Offスイッチの但し書きです。「これはNxのサウンド処理には影響しない。処理は常にアクティブである」。つまりオフにしても部屋の音響とバイノーラル化は効いたままで、頭の動きへの追従だけが止まります。トラッキング機器を持っていないから効果が半減する、という理解は正しくありません。
画面のワイヤーフレームの頭がグレーアウトする条件も明示されています。ユーザーの頭がトラッキング範囲外にあるとき、カメラトラッキングに十分な環境光が無いとき、またはヘッドトラッキングがオフのとき。表示が消えた原因を3つに絞り込めるようになっています。
トラッキング機器は2系統から選べます。コンピューターのカメラと、Nx Head Tracker。さらに両方を同時に使うSensor Fusionモードがあり、こちらは最大80 fpsのトラッキングレートが得られるとされています。ただしSensor Fusionは一度に1人しか使えません。カメラがNx Head Trackerを装着した人物に向いている必要があるからです。
| トラッキング機器 | 公式の最適レート | 追える動き |
|---|---|---|
| Camera | 25 fps〜30 fps | ヨー・ピッチ・ロール・X軸・Y軸・Z軸 |
| Nx Head Tracker | 35 fps〜50 fps | ヨー・ピッチ・ロール |
| Sensor Fusion | 45 fps〜80 fps | 上記2系統の併用(1人のみ) |
カメラは平行移動(X・Y・Z)まで追えるのに対し、Bluetoothのヘッドトラッカーが追うのは回転3軸だけです。これは仕組みからの必然で、カメラは顔を外から見ているから位置が分かり、頭に載せたセンサーは自分の姿勢しか分からない。Sensor Fusionが両方を使うのは、レートを上げるためと同時に、この情報の欠けを埋めるためでもあると読めます。
頭のサイズは「気分」ではなく計算に使われる
Head Modelingで入力するのは2つの実測値です。耳の上を通って頭の周囲を回った長さ(Circumference)と、後頭部を回った耳から耳までの半円(Ear to Ear)。ガイドはこれが何に使われるかを明記しています。Nxはバイノーラル効果なので、これらの測定値を両耳間の遅延・フィルター・ゲインの計算に取り込むのです。
| 項目 | 初期値 | 範囲 |
|---|---|---|
| Circumference(頭囲) | 55 cm / 21.6 in(成人の平均値) | 35 cm〜75 cm / 13.8 in〜29.5 in |
| Ear to Ear(耳から耳) | 25 cm / 9.8 in(成人の平均値) | 15.0 cm〜40 cm / 5.9 in〜15.8 in |
そのうえでガイドは強い注意書きを置いています。自分の頭の実測値とまったく無関係な値を入れると、効果はひどく歪む。個別の実測値を入れないのであれば、デフォルト値を使うことを勧める、と。適当に触って「なんとなく広く」するつまみではない、ということです。
この測定値のプリセットは、プラグイン全体のプリセットとは別系統で管理されます。Head Modelingメニューから保存・読み込みする専用の仕組みで、一般のプリセットはHead Modelingの設定に影響しません。さらに注意すべき挙動として、プラグインを開いたとき、あるいは有効化したときにはファクトリープリセットが読み込まれ、ホストのセッションに測定値の設定が含まれていても頭の測定値はデフォルトに戻ります。自分の値をデフォルトプリセットとして保存してあれば、そちらが読み込まれます。セッションを開き直すたびに測り直しの結果が消えているように見えるなら、原因はここです。
モニタースピーカーの選択がステレオ版にしか無い理由
ステレオコンポーネントでは、フロントのラウドスピーカーを3種から選べます。サラウンドコンポーネントではmidタイプがフロントにもサラウンドにも使われ、モニターセレクター自体が存在しません。ステレオでは「どのスピーカーで聴くか」を選ばせ、サラウンドでは全スピーカーの種類を揃える——という切り分けです。
| タイプ | ユーザーガイドの説明 | 対応コンポーネント |
|---|---|---|
| Far | クラブ的な感触を持つ大型スピーカー | ステレオ |
| Mid | ハイファイなサウンドの高解像度スピーカー | ステレオおよびすべてのサラウンド |
| Near | クリティカルリスニング用の、コンソール上に置くスピーカー | ステレオ |
もうひとつ、ヘッドホン側の補正であるHeadphone EQにも同じ思想が出ています。用意されているのは特定の人気ヘッドホン機種向けの補正カーブで、その元データはwww.headphones.comが提供する精密測定データだと明記されています。そのうえでガイドは「メニューにある特定の機種を使っているときだけこの機能を使うこと。そうでなければNoneのままにすることを推奨する」としています。汎用の「ヘッドホン補正」ではなく、測ったものにだけ効かせる、という一貫した態度です。自分のヘッドホンで作ったミックスが他所でどう鳴るかを既に把握しているなら、Headphone EQはオフにせよ、とも書かれています。
サラウンド版の入出力は非対称
出力が常にバイノーラルのステレオである以上、サラウンドコンポーネントの入出力は非対称になります。Appendix Aの記載は次のとおりです。
| コンポーネント | 入出力 | 入力の割り当て | 音が出る出力 |
|---|---|---|---|
| 5.1サラウンド | 入力6/出力2 | 1=L、2=C、3=R、4=左サラウンド、5=右サラウンド、6=サブウーファー(ベースマネジメント後) | 出力1=左ヘッドホン、出力3=右ヘッドホン。出力2/4/5/6は無音 |
| 7.1サラウンド | 入力8/出力2 | 1=L、2=C、3=R、4=左サラウンド、5=右サラウンド、6=左サラウンドリア、7=右サラウンドリア、8=サブウーファー(ベースマネジメント後) | 出力1=左ヘッドホン、出力3=右ヘッドホン。出力2/4/5/6/7/8は無音 |
出力2ではなく出力3が右である点は、実際に配線するときにつまずきやすいところです。ガイドは「出力チャンネルはホストのサラウンドチャンネル構成によって変わることがある」とも付記しています。なおAppendix Cに掲載されたスピーカー配置図には角度が書き込まれており、7.1ではC=0°、L=-30°、R=30°、Ls=-110°、Rs=110°、Lr=-150°、Rr=150°、5.1ではそのうちリアを除く5本が同じ角度で並んでいます。
全パラメーター
| パラメーター | 範囲・選択肢 | 初期値 | 何が変わるか |
|---|---|---|---|
| Studio Monitors | Far / Mid / Near | ユーザーガイドに記載なし | フロントのラウドスピーカーの種類。ステレオコンポーネントのみ |
| Input Meters | -∞〜0 dBFS | — | 各入力チャンネルのフルスケールメーター。無限ホールドのクリップ表示(クリックでリセット) |
| チャンネルMute / Solo | On / Off | — | 入力メーター下の各チャンネルのミュート・ソロ |
| Monitor Meters | -∞〜0 dBFS | — | バイノーラル出力のフルスケールステレオメーター。無限ホールドのクリップ表示 |
| Level(出力音量) | -24 dBFS〜+6 dBFS | 0 dBFS | ヘッドホンのモニターレベル |
| Rotate Studio | ホイール操作。0°ボタンまたはAlt+クリックでリセット | — | ミキシングデスクに座った自分の位置を軸に、スタジオを回転させる |
| Head Tracking On/Off | On / Off | — | 頭の動きへの追従のみを切り替える。Nxの音響処理は常時オン |
| Tracking Device | Camera / Nx HeadTracker / Sensor Fusion | — | トラッキングに使う機器の選択 |
| Calibrate | ボタン | — | 正面を向いた現在の頭の位置をセンターとして登録する |
| Rate | fps表示 | — | 現在のトラッキングレート |
| Settings | ボタン | — | ヘッドトラッカーアプリのコントロールパネルを開く |
| Units | センチメートル / インチ | — | 頭部測定値の単位 |
| Circumference | 35 cm〜75 cm / 13.8 in〜29.5 in | 55 cm / 21.6 in | 頭囲。両耳間の遅延・フィルター・ゲインの計算に使われる |
| Ear to Ear | 15.0 cm〜40 cm / 5.9 in〜15.8 in | 25 cm / 9.8 in | 後頭部を回った耳から耳までの距離 |
| Head Modeling プリセット | 専用メニュー | Factory Default | 頭部測定値だけを保存・読み込みする独立したプリセット系統 |
| Headphone EQ | 機種別の補正カーブ/None | None推奨(該当機種以外) | ヘッドホンの周波数特性の補正 |
用途別・設定の始点
| 状況 | 触る場所 | 公式に書かれていること |
|---|---|---|
| 初めて使う | そのまま | 「プラグインのコントロールの初期値は、始めるのに良い場所」。まず聴き慣れた高品質な素材を再生し、耳が効果に慣れるまで数分置く |
| 挿す場所を決める | マスターバスに1つ | 個別トラックには使わない。DAWのチャンネルフォーマットに合うコンポーネントを選ぶ |
| 書き出す前 | バイパス | 最終ミックスをバウンスする前に必ずバイパスする |
| 位置を決める | Calibrate | ミックス時に座る位置で正面を向き、押す。起動時や位置・カメラ配置を変えたときは再度 |
| 出力が歪む | Levelを下げる | Nxは出力でクリッピングを生じさせることがある。特にリミッターでレベルを制御した信号を入れたとき |
| カメラのレートが上がらない | 照明・カメラの向き | 20 fps以上を確保できる明るさを用意する。カメラを少し上に向けて明るいフレームにする。顔に影を作らない |
| プラグイン側のレートだけ低い | オーディオバッファ | バッファサイズが1024サンプル以下であることを確認する |
| 頭を見失う(カメラ) | 距離と角度 | カメラから5〜6フィート(150〜180 cm)以内、カメラ中心から左右30度以内。サングラス・帽子など顔を覆うものを外す |
| 音が外に出ない・定位が不明瞭 | 配線と実測値 | ヘッドホンのL/R配置と配線を確認。Nxが信号経路の最後のサミングバスにあり、他のチャンネルが迂回していないことを確認。再キャリブレーション。仮想スピーカーをダブルクリックしてミュート/アンミュートし位置を聴く。頭部測定値を自分の値かデフォルトにする |
| ヘッドホン補正を使いたい | Headphone EQ | メニューにある機種を使っているときだけ使う。それ以外はNone |
| トラッカーが逆に動く | Nx Head Trackerの向き | ヘッドホンのアーチ上部に、ロゴ側を前に向けて装着する。L・Rの向きをヘッドホンと一致させる |



「音が頭の中から出ない」と言う前に、バイパス忘れとL/Rの配線を疑う。だいたいそこ。
似た製品との使い分け
もっとも近いのは、同じNxエンジンを使うNx Virtual Mix Roomです。両者のユーザーガイドを並べると、性格の違いははっきりしています。
| 比較項目 | Abbey Road Studio 3 | Nx Virtual Mix Room |
|---|---|---|
| 再現する部屋 | 実在するAbbey Road Studio 3。室内のインパルスレスポンスを使用 | 「高度に最適化されたスタジオコントロールルーム」(特定の実在室名の指定は無い) |
| スピーカーの角度 | 固定。全フォーマットで位置は同じで本数だけ変わる | Front 0°〜180°(初期値60°)、Rear、Side、Rotateで可変 |
| 残響量 | 該当するコントロールがコントロール一覧に無い | Room Ambience Amount 0(オフ)〜100(初期値17) |
| モニタースピーカーの種類 | ステレオ版のみFar / Mid / Nearを選択 | 該当する選択肢はコントロール一覧に無い |
| コンポーネント | ステレオ/5.1/7.1の3種 | モノ/ステレオ/5.0/5.1/7.1/Ambisonics(B-format 1次AmbiX) |
つまり「部屋を作りたい」ならNx Virtual Mix Room、「あの部屋を借りたい」ならStudio 3です。前者は角度と残響量を自分で決められる代わりに、その部屋がどこかには誰も答えられません。後者は一切動かせない代わりに、鳴っているものが特定できます。基準として使うつもりなら、動かせないほうに意味があります。
なお、出力のクリッピングについての注意書きが「リミッターでレベルを制御した信号を入れたとき」に言及している点は、実務上おさえておく価値があります。マスターにL1 Ultramaximizerのようなリミッターを置いた状態でStudio 3を後段に挿すと、バイノーラル処理の結果が0 dBFSを超えうる。そのときはミックス側ではなくStudio 3のLevelを下げるのが公式の指示です。モニターのために作ったクリッピングでミックスの判断を歪めない、という切り分けになります。
よくある質問
ヘッドトラッカーを持っていないと効果は薄いですか
Head Tracking On/Offの説明に「これはNxのサウンド処理には影響しない。処理は常にアクティブである」と明記されています。トラッキングが止まるのは頭の動きへの追従だけで、部屋の音響とバイノーラル化は効いたままです。ただしガイドは、Studio 3から最大限を引き出すためにはヘッドトラッキングを常にオンにして作業することを推奨しています。トラッキング機器としてはコンピューターのカメラも使えます。
サラウンド版でもスピーカーの種類を選べますか
選べません。サラウンドコンポーネントではmidタイプがフロントとサラウンドの両方に使われ、Studio Monitorsのセレクター自体が無い、とユーザーガイドに書かれています。3種から選べるのはステレオコンポーネントだけです。
頭のサイズを測らないと使えませんか
測定値を入れない場合はデフォルト設定が使われます。ガイドが警告しているのは逆のケースで、自分の頭とまったく関係のない値を入れると効果はひどく歪む。個別の測定値を入れないのであれば、デフォルト値を使うことが推奨されています。またプラグインを開き直すとファクトリープリセットが読み込まれ、測定値はデフォルトへ戻ります。自分の値を残したいなら、デフォルトプリセットとして保存しておく必要があります。
5.1で挿したのに出力の一部から音が出ません
仕様です。5.1コンポーネントは入力6/出力2、7.1コンポーネントは入力8/出力2で、音が出るのは出力1(左ヘッドホン)と出力3(右ヘッドホン)だけ。残りの出力には音がありません。出力チャンネルはホストのサラウンドチャンネル構成によって変わることがある、とも付記されています。



基準に使う道具は、動かせないほうが強い。動かせる部屋は、どこの部屋かを答えられない。
まとめ
- スピーカーは全フォーマットで位置が固定され、変わるのは本数だけ。開き角も残響量も可変ではないのは、実在の一室を再現しているから。
- ヘッドトラッキングのOn/Offが切り替えるのは追従だけで、Nxの音響処理は常にオン。オンで部屋が固定され、オフで音場が頭と一緒に動く。
- 頭囲と耳から耳の実測値は、両耳間の遅延・フィルター・ゲインの計算に使われる。無関係な値を入れるくらいならデフォルトのまま使う。



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