今回はWavesのプラグイン「API2500」を紹介します。
「API」はアメリカの有名な会社で、音楽機器に詳しい人なら大体知っている有名な製品がたくさんあります。
その通り、API2500はアナログ・コンプレッサーをWaves社がモデリングした製品で、本家API社公認のプラグインです。
API2500の概要
API 2500は、特徴的なサウンドとパフォーマンスを持つオリジナルのアナログコンプレッサーを再現することを目的としています。API社は、高品質のアナログコンプレッサーを作り出すことで知られており、API 2500はその中でも特に有名なモデルの一つです。
主な特徴
- 1つのコンプレッサーで独立したモノ・チャンネルコンプレッサーとして動作させることも可能
- オート・メイクアップゲイン機能を搭載
- コンプレッションモード「Soft」、「Medium」、「Hard Knee」から選択可能
- 可変レフト/ライトチャンネル
- 「フィードバック」と「フィードフォワード」の2種類のコンプレッションタイプを選択可能
API 2500は、特徴的な「スラスティング(Slamming)」と呼ばれる効果を持ち、ドラムやベース、ギターなどの音源に力強く、パンチのあるサウンドを与えることができます。また、ミックス全体に対しても密度感や厚みを与えることができます。
API 2500は、ロック、ポップ、ヒップホップ、R&B、ジャズなど、多くのジャンルの音楽制作に使用されており、力強く、パンチのあるサウンドを求めるミキシングエンジニアに人気の高いプラグインの一つです。
バンドル製品としては、Studio Classics Collection/ Mercury / API Collectionといった限られた製品にしかバンドルされていないため、入手しにくい製品ですが、独特のパンチ感をプラスできる点では、なかなか他の製品に変え難い印象があります(意外とマスターに挿している人が多くいるようです)。
API2500の使用場面
API2500の使用場面を以下に書き出してみましたので、参考にしてみてください。
- ドラムのバスドラムやスネアドラムに対して使用することで、強力でパンチのあるサウンドを作り出すことができます。
- ベースのサウンドをより密度の高いものにし、パフォーマンスを強化するために使用することができます。
- ボーカルに対して使用することで、サウンドに対して密度を追加し、エッジを持たせることができます。
- トランシエントの変化が激しい楽器に対して使用することで、より自然なサウンドを作り出すことができます。
- リズムギターに対して使用することで、より攻撃的でパワフルなサウンドを作り出すことができます。
- マスターバスに対して使用することで、ミックス全体に密度とパンチを与えることができます。
API2500の使い方
では、各パラメーターの動きを紹介していきます。
パラメータ | 内容 |
---|---|
VUメーター | VUメーターをゲインリダクション(GR)、出力(OUT)、入力(IN)に切り替える |
COMPRESSOR | スレッショルド、アタック、レシオ、リリースを固定の値(6〜7段階)から選択 リリースは一番右側のノブに設定することで、別のノブにより微調整が可能 |
TONE | KNEEでは、コンプレッサーのかかり具合の強さ(コンプレッションカーブ)を調整可能 THRUSTでは、帯域の感度調整を行うことが可能で、低域の感度を下げることで、ポンピング現象を抑制することが可能(Med, Hard選択時) TYPEでは、コンプレッションタイプを選択可能で、サイドチェインを使用する場合は、フィードフォワードタイプ(NEW)となる。 |
Link | それぞれのコントロールが反応する閾値(縦)の調整 |
ANALOG | それぞれのコントロールが反応する時間(横)の調整 |
OUTPUT | 出力レベルの調整 |
Mix | エフェクトのかかり具合の調整 (Dry:Wetのブレンド量調整) |
Guard | Limit:リミッターのオン(-0.1dBfs) Clip:クリッパーのオン(-0.1dBfs) |
詳しいパラメーター設定は、以下の記事にまとめていますので、もっと詳しく知りたい場合はこちらを参考にしてみてください。